日本庭園を見ていると、庭は「足すこと」だけでつくるものではないのだと感じます。

一本の木、ひとつの石、そしてその間にある余白。

一見すると何もないように見える場所にも、ちゃんと意味がある。

石を山に見立てたり、白砂を水に見立てたり、限られた空間の中に自然の景色を表現する。

そこには、すべてを説明しない美しさがあります。

季節が変われば木々の表情が変わり、雨が降れば石が濡れ、光の入り方でも景色が変わる。

同じ庭なのに、見るたびに少し違って見える。

それが日本庭園の面白さだと思います。

庭をつくる仕事をしていると、「何を植えるか」「何を置くか」に目が向きがちです。

でも、日本庭園を見ていると、「何を置かないか」も同じくらい大切なのだと気づかされます。

庭は、つくり手がすべてを決めるものではない。

余白があるからこそ、見る人の想像が入り込む。

そんな日本庭園の美しさを感じながら、私自身も、暮らす人の余白を残せるような庭をつくっていきたいと思っています。

庭屋 緑雨 中村省吾

 

 

 

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