庭は、ただそこにある。

最近、いろんな住宅地を歩いています。

仕事の営業も兼ねているけれど、歩いていると、どうしても庭を見てしまいます。

職業病みたいなもんです。

きれいに手入れされた庭もあれば、木が大きくなっている庭もある。

駐車場の横に、家を建てたときには更地だったんだろうなと思うスペースが残っている家もあります。

そこに雑草が生えていたり、子どものプールが置いてあったり。

鉢植えが並んでいる家もあれば、物を置く場所になっているところもある。

同じような住宅地で、同じような大きさのスペースなのに、使われ方は全然違う。

そんな庭を見ながら歩いていると、

「庭を楽しんでいる人って、実際どれくらいいるんだろう」

と思うようになりました。

もちろん、外から見ただけじゃ分かりません。

庭に出ていなくても、家の中から眺めているかもしれない。

植物の世話をするのが好きでも、たまたま今日は何もしていないだけかもしれない。

だから、庭を見ただけでその家の暮らしを分かったつもりになるつもりはありません。

ただ、思った以上に多いんです。

庭が、ただそこにある家が。

庭をつくったけど、今はあまり使っていない。

手入れする時間がない。

何をしたらいいのか分からない。

そもそも庭に興味がない。

いろんな理由があるんだと思います。

以前、自分は「庭は、暮らしの景色です」と言っていました。

今でも間違っているとは思いません。

でも、最近は少し押し付けがましい言葉にも聞こえるようになりました。

「庭はこういうものですよ」と、自分の側から決めているような気がするからです。

庭屋になって、庭をたくさん見るようになりました。

そして不思議なことに、庭のことが前より分からなくなってきました。

庭って、なんなんだろう。

今は、そんなことを考えながら歩いています。